0798-69-3330

まさだ整形外科 | JR西宮駅下車 北側出口より徒歩1分

関節リウマチ| まさだ整形外科 | JR西宮駅下車 北側出口より徒歩1分

関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチは、本来なら病原菌などの外敵を攻撃するはずの免疫が暴走して自分自身の身体を攻撃し(自己免疫)、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。炎症の症状は関節に留まらず、目や肺など全身に拡がることもありますし、微熱や倦怠感、食欲不振などの症状が現れることもあります。

主な症状ですが、初期症状としては、朝起きた時に手足などの関節を動かすと、こわばって動かしにくく感じる、関節のあちこちが痛む、手足のしびれや痛みがあるといったことがあります。患者様により、病状や進行に差はありますが、骨や軟骨に小さな欠損部(骨びらん)ができたり、さらには関節の破壊や変形をきたしたりすることもあり、日常生活が少なからず制限されてきます。

関節リウマチとは

女性の患者数は男性の3~4倍

リウマチ患者は、女性が男性の約3~4倍と多く、発症するのは主に30~50代です。しかし、60歳を超えてから、あるいは高校生以下の若い年齢層に発症するケースも少なからずみられます。

また、リウマチの発症には遺伝が関係することが知られています。ただ、家族にリウマチの患者がいるからといって、必ずしも発症するわけではありません。

リウマチの診断

関節リウマチは、早期からの治療によって進行を抑制できることが明らかになっています。そのため、当クリニックでは検査を重要視しており、問診をはじめ、血液検査※(RF、MMP-3、ESR、CRP、IgG)・画像検査(MRI、X線写真、超音波検査)・関節エコー検査などを行い、 これらの結果を照らし合わせて、総合的に診断いたします。なお、血液検査については、「抗CCP抗体」を測定する、早期診断に有用とされる診断方法も行っています。

また、早期の関節リウマチとよく症状が似ているため、鑑別する必要のある病気もたくさんあります。早めの治療を心がけるためにも、これらとの違いもしっかりと見極めなければなりません。リウマチの症状に心当たりのある方は、一度診断を受けてみてください。

関節リウマチと鑑別が必要な疾患

  • 変形性関節症
  • 全身性エリテマトーデス
  • 強皮症
  • 混合性結合織病
  • シェーグレン症候群
  • 多発性筋炎・皮膚筋炎
  • 痛風・慢性痛風
  • 偽痛風
  • 乾癬性関節炎
  • 掌蹠膿疱症性骨関節炎
  • 反応性関節炎
  • 線維筋痛症
  • リウマチ性多発筋痛症
  • RS3PE症候群
  • 回帰性リウマチ など

リウマチの血液検査について

RF(リウマイド因子)
関節リウマチを診断するときの参考に測定します。RFとはリウマチの患者様に出現する自己抗体です。陽性の場合、関節リウマチの可能性があります。
MMP-3(マトリックスメタロプロティナーゼ-3)
関節の軟骨成分を分解する酵素のひとつがMMP-3です。MMP-3は、関節液中に貯留したのち血管やリンパ管を経由して血中に移行していきます。そのためMMP-3の血中濃度は関節滑膜の病態を現しているとも言えます。正常の関節では関節液の量は極めて少ないのですが、関節が炎症を起こすと関節液が増えるので、関節局所の炎症の程度を測定することができます。

リウマチが活発な時は血液の数値が上がり、治療が効いている場合は数値がだんだん下がっていきます。
ESR(赤沈)
ESRは赤血球沈降反応とも言い、血液成分である赤血球が試験管の中で沈降する速度を測定します。沈降する速度は、血液の固まりやすさと関係しています。炎症が強いほど数値が高くなりますが、リウマチ以外にも風邪や虫歯などの炎症、貧血がある場合も数値が高くなります。この検査はDAS(ダス)という、リウマチ症状の強さを判断する指標の計算に用いられます。
CRP(C反応蛋白)
炎症に対する生体反応によって作られる蛋白質のひとつがCRPです。赤沈よりも敏感であり、速やかに炎症の度合を反映しますが、赤沈と同じように風邪や虫歯といった炎症でも数値は高くなります。リウマチの治療薬の中には、CRPの産出を止める効果をもつものもあり、その場合は別の検査を行います。
IgG(免疫グロブリンG)
免疫グロブリンの中では最も数の多いもので、免疫応答時に働く蛋白質のひとつ。リウマチを発症することで数値は上がりますが、治療の効果がみられると徐々に低下していきます。
抗CCP抗体
関節リウマチは、関節滑膜が増殖し、血管内から骨膜組織へリンパ球、マクロファージが遊走し、これらが産生する炎症性のサイトカンによって、軟骨・骨の破壊が進行します。

関節リウマチの関節滑膜には各種のシトルリン化蛋白が発現していることが知られています。また、関節リウマチの患者様の血液中には、シトルリン化抗原に対する自己抗体(抗CCP抗体)が産出されています。抗CCP抗体は、関節リウマチに対する高い特異性を有しており、関節リウマチの発症早期から検出されます。そのため、早期診断に有用であることが立証されています。早期からの治療によって進行を抑制できる病気ですので、同抗体による検査方法はとても重要な役割を果たしています。

リウマチの治療法について

リウマチは今のところ根治治療といったものはありません。そのため、リウマチの「寛解」(病気の症状が一時的・継続的に軽くなる、または見かけ上消失した状態)を目標に治療します。治療によっていったん寛解に入った後も、以降は寛解を維持することが大切です。

具体的には、炎症を鎮め、関節破壊の進行を抑えて、関節を変形させないようする。あるいは、体の不自由さを最小限にとどめ、生活の質(QOL)を向上させて、よりよい生活を送るといったことです。治療法としては、薬物療法、手術療法、リハビリテーションなどを行います。多くの場合、本格的な薬物療法を行えば、症状の進行はかなり抑えることができます。

薬物療法について

薬物療法では、痛みや炎症を抑えたり、リウマチの進行を抑える手助けをします。ただし、免疫機能に影響する薬が多いので、副作用には注意が必要です。 最近は、免疫抑制作用によってリウマチを治療するメトトレキサートや、関節破壊の抑制作用に優れる生物学的製剤などの登場により、炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者さんの生活の質(QOL)を高める治療が行えるようになってきました。

薬物療法で使用される主なお薬

非ステロイド性消炎・鎮痛薬(NSAID)
痛みと炎症を抑えることができ、即効性があります。抗リウマチ薬やJAK阻害剤、生物学的製剤を使用しても腫れや痛みが残る場合に用いられます。
副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)
強い炎症が起こった際に用いられます。優れた抗炎症作用がありますので、症状が劇的に改善する場合もありますが、投与量の調整が難しいので、必ず医師の適切な指示の下で使用しなければなりません。
抗リウマチ薬(DMARD)
関節リウマチの炎症原因である免疫の異常を改善することができます。効果が出るまでに時間がかかり、1ヵ月~半年ほどかかります。
メトトレキサート(MTX)
最も有効性の高い抗リウマチ薬ですが、月1回の血液検査、年1回の胸部X線撮影が必要です。副作用に胃腸障害、口内炎、白血球減少、間質性肺炎などがあります。妊娠、腎不全などでは服用できません。
生物学的製剤
炎症を鎮めたり、関節が壊れるのを抑えたりすることができます。抗リウマチ薬よりも高い炎症抑制作用があります。

リウマチのリハビリテーション療法

痛みや炎症を取る効果が薬物療法には期待できます。

しかし、薬にばかり頼って関節を動かさないでいると、関節が固くこわばってしまうことがあります。そこで、筋力向上と関節可動域を広げて、日々の生活を過ごしやすくするためにも、リハビリテーションが必要です。

リハビリテーションは、毎日繰り返し、長期にわたっておこなうことで、関節の機能障害を抑えられ、また痛みも和らいでいきます。療法としては、主に温熱療法や運動療法を行います。

TOPへ